少し前のことになりますが、親族が亡くなりまして、葬儀に参列してきました。
納棺の前に棺に故人の品やお花などを入れる際、初めて見て驚いたことがありました。
それは、本物の千円札などのお札を参列者が入れていたことです。
風習などだと思いますが、感謝の気持ちということのほか、
向こうでのお小遣いだと言って、皆々入れていました。
三途の川を渡るときの六文銭入れた「図多袋」を一緒に入れる、
というのは何回か経験があります。
が、お札を入れるというやり方は初めて知りました。
事務所でこの話をしたら、「お金を故意に破損したら、罪に問われるんじゃないの?」と
言う意見がありました。
確かに、貨幣については「貨幣損傷等取締法」と言う法律があって、故意に破損すると、
一応、罪になります。
ただ、紙幣については、この取締法の対象でなく、現状、他に直接このことを規定する法律はないので、
今回のように棺に入れても、罪には問われない、ということになります。
なお、貨幣の場合は、実際、火葬場の人も燃え残ってしまうから法律云々に関わらず
禁止しているかと思います。
本物の紙幣を故人と一緒に送り出す発想、初めてのことでした。