フランチャイズ契約のひな形

フランチャイズ契約書

第1章 総則
第1条 (基本合意)
 本部は、加盟店に対して、商標その他の営業の象徴となるものを使用し、本部の経営ノウハウを用いて営業活動を行う権利(以下、「フランチャイズ権」という。)を付与する。加盟店は、本部に対して、一定の対価を支払う。  
第2条 (契約の期間)
  • 1 本契約の期間は平成○年○月○日から平成○年○月○日までとする。
  • 2 本部および加盟店は、本契約の期間満了の○ヶ月前から、本契約の継続について協議を行う。契約継続について合意が得られた場合には、本契約と同一条件をもってこれを延長することできる。以後も同様とする。
第2章 フランチャイズ権の内容
第1節 商標等の使用
第3条 (商標等の使用)
  • 1 本部は、加盟店に対して、本部が有する商標(商標登録番号第◯◯◯◯◯◯号)その他の営業の象徴となるもの(以下、「本件商標等」という。)を、無償で使用する権利を許諾する。
  • 2 加盟店は、次の定めを遵守して、本件商標等を使用しなければならない。
    • ① 本件商標等を、本契約に基づき実施される事業にのみ使用し、それ以外の事業のために使用しないこと
    • ② 本件商標等の全部若しくは一部を改変し、または本件商標等の信用を損なう形で使用しないこと
    • ③ 本件商標等と同一もしくは類似する商標、商号その他の営業の象徴となるものを、いかなる国家・地域において自己のものとして登記または登録しないこと
    • ④ その他本部の指示にしたがって本件商標等を使用し、かつ本部が別途作成・交付する商標等使用規定に従うこと
第2節 経営ノウハウの使用および店舗の営業
第4条 (店舗の名称および所在地)
  • 1 加盟店が本契約に基づいて経営する店舗(以下「本件店舗」という)の店舗名および営業地等は、下記の通りとする。
    • イ 店舗名:
    • ロ 所在地:
    • ハ 営業店舗面積:    平方㍍(   坪)  席数     席 
  • 2 加盟店は、本件店舗について本部の事前の書面による承諾なく、所在地の移転、配置替え、増改築および増床・減床をしてはならない。
第5条 (テリトリー)
本部は、契約期間中、別紙地図に表示する半径○キロメートル以内には、新たに直営店または他の加盟店を設置しない。但し、加盟店が事前に書面による承諾をした場合は、この限りではない。
第6条 (店舗の設計)
  • 1 本件店舗を新築、改築または改装について、その設計は、本部の指定する基本設計に基づき、原則として本部の指定するまたは本部が承認する設計士が設計するものとする。建築に関しては、加盟店が自ら建築会社を選定することができる。
  • 2 本件店舗の設計・建築に関わる費用は、加盟店が負担する。
第7条 (店舗備品・什器類の調達)
  • 1 本部は、加盟店に対して、加盟店が本件店舗を開店し営業を継続していくために必要な備品・什器類を調達し、提供するものとする。
  • 2 備品・什器類の費用は、加盟店の負担とする。その他備品・什器類の調達に要する費用は、加盟金の中に含まれるものとする。
第8条 (営業専念の義務)
加盟店は、本契約期間中、事業の実績を上げるために最善の努力をしなければならず、本部の信用およびイメージを害し、不利益となる行為をしてはならない。
第9条 (店舗イメージの統一)
  • 1 加盟店は、本部の有する統一的な店舗イメージを維持するために、本件店舗の構造、内外装、レイアウト、看板および制服の仕様(以下、まとめて「構造等」という。)に関しては、本部の定めた規格に従うものとする。
  • 2 加盟店は、事前に本部の書面による承諾がない限り、本件店舗の構造等を改修し、変更することはできない。
第10条 (休日および営業時間)
本件店舗の営業日は○○とし、営業時間は午前○時から午後○時までとする。但し、本部と加盟店の協議により変更したときは、この限りではない。
第11条 (商品の提供等)
  • 1 加盟店は、本件店舗で取り扱う商品およびその原材料(以下、「本件商品等」)を、本部または本部の指示するものから購入しなければならない。
  • 2 本件商品等については、別途取引基本契約を締結するものとする。
  • 3 加盟店は、本件商品の品目、本件店舗での販売価格、販売個数について、本部の指示を尊重するものとする。
第12条 (従業員の雇用および管理)
  • 1 加盟店は、本部の承諾を得ずに、従業員を雇用することができる。ただし、本部または他の加盟店の従業員を雇用する場合は、この限りでない。
  • 2 加盟店は、本件店舗において、店長、責任者その他の重要な職務を選任する場合には、事前に本部の書面による承諾を得なければならない。
  • 3 加盟店は、雇用した従業員について、本部の指定する研修を受講させなければならない。本件店舗の店長、責任者その他の重要な職務を選任した場合も同様とする。
  • 4 加盟店の従業員は、本部が指定するユニフォームを着用して作業に従事する。
  • 5 加盟店の従業員は、本部の信用およびイメージを害し、不利益となる行為をしてはならない。
第13条 (物件の保全・修理)
加盟店は、本件店舗の建物・設備および経営に付随する全ての物件について、十分な維持・管理を行わなければならない。物件の保全・修理に要する費用は、加盟店の負担とする。
第14条 (報告義務)
  • 加盟店は、毎月○日までに、本部の定める書式にしたがい、以下の書類を作成し、本部に提出しなければならない。
  • ① 月次損益計算書
  • ② 月次売上報告書
  • ③ 月次報告書
  • ④ その他本部が提出を求めた帳簿
第3節 経営ノウハウの付与、研修、指導・援助等
第15条 (開店前の経営指導研修)
  • 1 加盟店は、本件店舗の営業開始前に、本部の実施する経営指導研修を受けなければならない。
  • 2 前項の研修に使用するマニュアル類の費用および指導料は加盟金の中に含まれるものとする。研修期間における受講者の交通費、宿泊費、食費およびユニフォーム費は、別途加盟店の負担とする。
第16条 (開店時の経営指導)
  • 1 本部は、加盟店の店舗開店時に指導員を○名派遣し、○日間店舗営業の指導を行う
  • 2 前項の指導料は、加盟金の中に含まれるものとする。指導員の交通費および宿泊費は、別途加盟店が負担する。
第17条 (開店後の経営指導)
  • 1 本部は、本契約期間中、年○回、1回につき指導員を○名本件店舗に派遣し、経営指導(経営相談、技術指導、情報提供、店舗運営のチェックのことをいう。以下、同じ。)を行うものとする。経営指導の日程は、別途本部の定めに従う。
  • 2 前項の経営指導の指導料はロイヤルティの中に含まれるものとする。指導員の交通費および宿泊費は、別途加盟店の負担とする。
  • 3 第1項のほか、本部は、加盟店からの要請がある場合または経営指導の必要があると判断した場合には、いつでも経営指導を行うことができる。この場合において、加盟店は、指導料として1日当たり○万円、ならびに指導員の交通費および宿泊費を負担する。
  • 4 加盟店は、第1項および第3項の経営指導を受け入れるに当たって、本部の派遣した担当者の店舗への立ち入り、必要な資料の提供、帳簿類の閲覧を拒否してはならない。
  • 5 加盟店は、本部が指定する会議、研修会に出席し、これを受講しなければならない。これに要する宿泊費、交通費および食費は加盟店の負担とする。
第3章 フランチャイズ権の対価等
第18条 (加盟金)
  • 1 加盟店は、本部に対して、本契約の締結と同時に、加盟金として金○○万円を支払うものとする。この加盟金は、いかなる場合でも返還さ
  • 2 前項の加盟金は、本件店舗における以下の事項の対価であるものとする。
    • ① 契約時に開示するノウハウ
    • ② 本件商標等の使用権の設定
    • ③ 店舗開店前および店舗開店後の指導員の合計○日間の派遣および指導・援助
    • ④ 店舗開店に必要な備品類の調達企画
    • ⑤ 店舗開店の宣伝の企画と手配
第19条 (保証金)
  • 1 加盟店は、本部に対して、本契約の締結と同時に、本契約に基づいて加盟店が本部に対して負担するあらゆる金銭債務を担保するため、保証金として金○○万円を預託する。
  • 2 保証金は、その返還期限までの間、無利息とする。
  • 3 保証金は、本契約終了時に、加盟店の本部に対する金銭債務がある場合にはこれを控除した後、本部から加盟店に返還する。
  • 4 加盟店が、本契約に基づく債務の履行を怠ったときは、本部は、何ら通知催告を要せず任意に、保証金をもってこれらの債務の弁済に充当することができる。
第20条 (ロイヤルティ)
  • 1 ロイヤルティは月額金○○万円とする。1か月に満たない期間のロイヤルティは日割計算した額とする。
  • 2 前項のロイヤルティは、以下の事項の対価であるものとする。
    • ① フランチャイズ権の継続的使用料
    • ② 本部からの継続的指導料
  • 3 ロイヤルティは、毎月末締切り、翌月末までに本部の指定する銀行口座に振り込むものとする。振込手数料は、加盟店が負担する。
第21条 (販売促進費の負担)
販売促進費の分担は次の通りとする。
  • ① 本件店舗の開店に伴う販売促進費加盟店の負担とする
  • ② 全加盟店が共通して実施する宣伝活動の販売促進費本部の負担とする
  • ③ 加盟店が独自に企画し、実施する宣伝活動の販売促進費加盟店の負担とする
第4章 その他一般事項
第1節 通則
第22条 (通知義務)
本部または加盟店は、次の各号のいずれかに該当する事由が生じたとき、またはそのおそれのあるときは、速やかに相手方に通知しなければならない。
  • ① 法人の名称または商号の変更
  • ② 振込先指定口座の変更
  • ③ 代表者の変更
  • ④ 本店、主たる事務所の所在地または住所の変更
  • ⑤ 第○条第1項各号にあたる事由
第23条 (秘密保持義務)
  • 1 本部および加盟店は、事前に相手方の書面による同意を得た場合を除き、本契約により知り得た相手方の営業上の秘密を第三者に漏洩してはならない。
  • 2 加盟店は、前項の秘密保持義務を、加盟店の従業員に対しても負わせるものとする。
  • 3 前各項の規定は、本契約終了後も効力を有する。
第24条 (競業避止義務)
  • 1 加盟店は、フランチャイズ権に基づき行う事業と同種もしくは類似の事業をおこない、または本部と競業関係にある事業を営んでいる第三者とフランチャイズ契約、業務提携契約等の契約を結んではならない。
  • 2 前項の規定は、本契約終了後○年間効力を有する。
第25条 (譲渡禁止)
加盟店は、本契約上の地位もしくはフランチャイズ権その他本契約から生じる権利義務の全部または一部を、第三者に譲渡し、貸与し(これに類するものを含む)し、または担保の設定をすることはできないものとする。
第2節 契約の終了
第26条 (解約の申入れ)
  • 1 本部または加盟店は、正当な事由がある場合に限り、○ヶ月前に書面で相手方に通知することにより、いつでも本契約を解約することができる。
  • 2 加盟店が前項の解約の申し入れを行う場合は、解約金として、ロイヤルティの○ヶ月分相当額を本部に支払うものとする。
第27条(契約解除および期限の利益の喪失)
  • 1 本部または加盟店は、次にかかげる事由の1つに該当する事由が生じたときは、なんらの催告を要することなく本契約の全部または一部を解除することができる。
    • ① 支払い停止または支払い不能の状態に陥ったとき
    • ② 手形又は小切手が不渡りとなったとき
    • ③ 差押え、仮差押え、仮処分、又は競売の申立があったとき
    • ④ 破産、会社整理、会社更生、民事再生の手続開始の申立を自ら行ったとき、又は申し立てられたとき
    • ⑤ 解散、又は営業の全部若しくは重要な一部を第三者に譲渡したとき
    • ⑥ 合併、会社分割、株式交換又は株式移転の手続を開始したとき(甲及び乙が当事者である場合を除く)
    • ⑦ 営業の取消し、または停止処分を受けたとき
    • ⑧ 相手方へそ詐術その他の背信行為があったとき
    • ⑨ その他本契約に定める条項に違反し、かつ相手方からの書面による催告を受領した後○週間以内に是正されないとき
  • 2 加盟店は、前項にかかげる事由の1つに該当する事由が生じたときは、本契約から生じるすべての債務について期限の利益を喪失し、直ちにその債務を履行しなければならない。
第28条 (契約終了後の処理)
本契約が終了したときは、加盟店は次に掲げる事項を履行するものとする。
  • ① 本契約に基づき開始した店舗の営業を直ちに中止すること
  • ② 本契約終了後、本件商標等を使用するなど、第三者から本部または本部の直営店もしくは加盟店と誤認する行為を行わないこと
  • ③ 本部から交付されたマニュアル・資料(その複製物を含む)を、本部に対して、直ちに返還し、または本部立ち会いのもとで破棄すること
第3節 付則
第29条 (当事者の地位
  • 1 本部と加盟店とは、共に独立した事業者であり、加盟店は、本部の代理人また使用人ではなく、本部のために商行為その他を行う何らかの権限や地位をもつ者ではないことを確認する。
  • 2 本部は、加盟店の店舗開店前または店舗開店後に加盟店に提示する収益予測等の予想数値に基づく売上高または利益について保証するものではない。
  • 3 本部と加盟店は、相互の事業展開が両者の信頼と協力に負っていることを認め、本契約を誠実に履行するものとする。
第30条 (合意管轄)
本契約に関して訴訟の必要が生じた場合には、○○地方裁判所を専属管轄裁判所とする。
第31条 (協議)
本契約に関して、疑義が生じた場合または定めのない事由が生じた場合には、両当事者は、信義誠実の原則に従い協議を行う。

以上本契約の締結の証として、本契約書2通を作成し、双方記名捺印の上各自1通を保有する。
平成○○年○○月○○日

本部
  • 住所
  • 社名
  • 代表者
加盟店
  • 住所
  • 氏名

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