信託とドラえもん
2018年07月13日
阿部・楢原法律事務所、代表弁護士の阿部です。
先日から、「事業承継と信託」というテーマで、簡単な勉強会を主宰する機会をいただきました。
先日は、第1回目でしたので、信託の基礎的なことをお話しました。
信託というシステムやイメージを分かりやすく伝えるためにはどうすれば良いか、悩んだのですが、最終的に行き着いたのが『ドラえもん』でした。
ドラえもんがどういう流れでのび太を助けているかというと、のび太の孫の孫の代にセワシ君という子孫がいて、彼が未来の22世紀からタイムマシンでドラえもんを派遣します。
『ドラえもん』の第一話はセワシ君も実際にタイムマシンに乗ってのび太の部屋に来ます。
彼がどうして来たかというと未来ののび太が事業に失敗し、子孫への負債を抱えているからです。
「相続放棄すればいいじゃないか」と思ったんですけども(笑)
「おじいちゃんのおじいちゃんが大変なことをしたから僕のお年玉はいまだに50円なんだ」というセリフがあります。22世紀の貨幣価値でいう 50円”ってどうなんだって、よく分からないんですけどもね・・・・。
セワシ君はそれを憂いて、なんとかしようと思います。
そこで、自分が持っているネコ型ロボットのドラえもんを、タイムマシンを使って派遣し、のび太に色々世話をさせるというストーリーなんですね。
それがどうして信託と繋がるか、という話ですが、信託というのは委託者がいて「受益者のために何かをやってください」ということを受託者にお願いする。
基本的には財産を移転させるということになります。
ドラえもんでいうと、委託者はセワシ君で、受託者はドラえもん、受益者はのび太ですね。
信託の財産は「ひみつ道具」で、四次元ポケットに入っている色んな物になります。
つまりセワシ君が持っている「ひみつ道具」をドラえもんに預け、ドラえもんがその「ひみつ道具」を活用してのび太の世話をする流れが、信託に似ているな、と思い、ドラえもんで説明しました。
今後も、セミナーで話をする時に「ドラえもんでいえば」と例えを出していこうかなと思いました。
「ドラえもんというロボットに法人格があるのか」というのはツッコミがあるところだと思いますけども、信託の本質はそういう例で説明できると分かりやすいのかなと思いました。