弁護士業と広告規制

2018年08月27日

弁護士の永田です。

 

弁護士業界は平成12年まで広告が禁止されていました。それは、事件漁りにより依頼者の利益を損なう虞があるためなどの他、弁護士が広告するなんて、、というような考え方もあったとは思います。

 

平成12年に広告が解禁となり、また、その後に司法制度改革があって弁護士数が非常に増加し、さらには、インターネットも普及し、現在では、特にホームページなどインターネット広告の発展にめざましいものがある状況です。

 

ただ、広告も規制がなくて自由かというとそうではなくて、弁護士の業務広告に関する規定とか、その規定の解釈を示した指針とかいうものがあります。その他に景品表示法とか弁護士業界特有のものではない法律ももちろん規制対象になります。実際に景品表示法に反する広告であるということでマスコミにも取り上げられたような弁護士事務所もありました。

 

業務広告規制の内容は色々ありますが、事務所のホームページ作成するときに、他の事務所とか弁護士さんとの違いをアピールするために使いたいと思ったり、実際にも使われている言葉として、「●●の分野について自分は『専門』弁護士です」というのがあります。

 

しかし、実はこの『専門』という言葉は、弁護士業務広告の規制の指針上では控えるのが望ましいとされています。

そのため、『専門』の代わりに『強い』という言葉を使っている事務所さんが結構多いのではないかと思われます。この『強い』という言葉は、弁護士業務広告の規制の指針上控えてくださいとはされていません。

ただ、『強い』という言葉も他の弁護士よりかは自分の方がこの分野では優秀ですよということを示す言葉ではあります。そして、弁護士が広告規制に違反していないかということに関しての立証責任は、弁護士にあるとされています。そのため、言うまでもなく虚偽の広告があってはいけないわけですが、この『強い』という言葉を使ったときは、そのこと(平均より優れていますよ)が虚偽ではないと証明できるような状況になっていなければいけないということになります。

 

弁護士の広告規制の一つのご紹介でした。

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