契約書ひな型「建築工事請負契約書」

建築工事請負契約書

株式会社○○○○(以下「甲」という。)と 、○○○○株式会社(以下「乙」という。)とは、建物の新築工事に関して、以下のとおり合意した。

第1条 (基本合意)

  1. 1 甲は、乙に対して、下記建築工事(以下、「本件工事」という。)を注文し、乙はこれを請け負う。

    1. 工事名  ○○建築工事
    2. 工事場所 (建築敷地の地番又は住居表示番号)
    3. 工事内容 別紙設計図および仕様書のとおり
  2. 2 乙は、別紙設計図および仕様書に適合するように本件工事を行い、完成した目的物(以下、「本件建物」という。)を乙に引き渡す。甲は、請負代金を支払う。
  3. 3 甲は、本件工事の施工上必要な土地を、施工上必要と思われる期間確保し、乙に対して、無償で提供する。

第2条 (工期)

本件工事の工期は次のとおりとする。

  1. 着手  平成○○年○○月○○日
  2. 完成  平成○○年○○月○○日
  3. 引渡し 平成○○年○○月○○日

第3条 (請負代金)

  1. 1 本件工事の請負代金は、総額金○○万円(消費税含む。)とする。
  2. 2 乙は、別紙設計図および仕様書に適合するように本件工事を行い、完成した目的物(以下、「本件建物」という。)を乙に引き渡す。甲は、請負代金を支払う。
    1. ① 工事の追加、変更があった場合
    2. ② 工期の延期があった場合
    3. ③ 予期することのできない急激な物価、賃金等の変動により請負代金額が適当でないと認められる場合
  3. 3 前項の場合において、変更後の請負代金額は、工事の減少部分については工事費内訳書により、その他について時価によって決定する。

第4条  (請負代金の支払時期およびその方法)

甲は、乙に対して、次の各号のとおり、請負代金を乙が指定する金融機関の指定口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は、甲の負担とする。

  1. ①契約日に、一時金として金○○万円を支払う。
  2. ②基礎工事が完成し、甲がその通知を受けた日から○日以内に、金○○万円を支払う。
  3. ③本件工事が完成し、その引渡しを受けた日から○日以内に、残額金○○万円を支払う。

第5条 (権利義務の譲渡・再委託)

乙は、事前に甲の書面による同意を得ていた場合を除き、次に掲げる行為をしてはならない。

  1. ① 本契約により生じる権利または義務の全部または一部を、第三者に譲渡し、また担保とする行為
  2. ② 本件業務の全部または一部を第三者に委託し、または請け負わせる行為

第6条 (報告義務等)

  1. 1 乙は、本件業務の実施状況について、甲から請求があったときは、遅滞なくその状況を報告しなければならない。
  2. 2 乙は、本件業務の実施に関して、第三者と紛争が発生したときは、遅滞なく書面によって甲に報告しなければならない。

第7条 (損害の防止)

  1. 1 乙は、本件建物の引渡しまで、本件建物の既製部分、工事材料、建築設備の機器または近接する工作物もしくは第三者に対して、損害が発生することを防止するために、必要な措置をしなければならない。
  2. 2 前項の措置に必要な費用は、乙の負担とする。

第8条 (施工一般の損害)

  1. 1 本件建物の引渡しまでに、本件建物の既製部分、工事材料、建築設備の機器その他施工一般について生じた損害は、乙の負担とする。
  2. 2 前項の損害のうち、次の各号の1つに該当する場合には、前項の規定にかかわらず、甲の負担とする。
    1. ① 甲の都合によって乙が着工期日までに着工できなかった場合、または甲が工事を繰り延べもしくは中止させた場合
    2. ② 甲の請負代金の支払いを遅延したために、乙が本件工事に着工できず、または中止をした場合
    3. ③ その他甲の責に帰すべき事由による場合
  3. 3 乙は、第1項の損害の発生を理由として、工期の延長を請求することはできない。ただし、第2項に該当する場合はこの限りでない。

第9条 (第三者との紛議)

  1. 1 本件工事に起因して、第三者に損害が生じたときは、乙がその損害を賠償する。ただし、その損害の発生が、甲の責に帰すべき事由によるときは、甲がその損害を賠償する。
  2. 2 前項の規定にかかわらず、本件工事の施工について、天災など乙が善良な管理者としての注意を払っても避けることができない事由により、第三者に損害が生じたときは、甲がその損害を賠償する。
  3. 3 前2項のほか、第三者との間に紛議が生じたときは、甲乙協力して、次の各号に従いその解決にあたる。
    1. ① 振動、騒音、地盤沈下、地下水の断絶など本件工事に起因して生じた紛議

      乙がその解決にあたり、甲乙協議の上、必要な措置をとる。

    2. ① 日照妨害、風害、電波障害、眺望侵害となど敷地の土地利用形態を原因として生じた紛議

      甲がその解決にあたり、乙は、甲と協議の上、必要な措置をとる。

第10条 (不可抗力による損害)

  1. 1 天災その他の不可抗力によって、本件建物の既成部分、工事材料、建築設備の機器その他施工一般に損害を生じたときは、乙は、事実発生後速やかにその状況を甲に通知する。
  2. 2 前項の場合、乙が善良な管理者としての注意を払っていたと認められるときは、甲がその損害を負担する。

第11条 (工事または工期の変更)

  1. 1 甲または乙は、工事の追加、工事内容の変更、または工期の変更の必要が生じた場合には、相手方に対して、遅滞なくその理由を書面に付して、本契約の内容の変更を請求することができる。この場合において、工事の内容および工期は、甲乙協議の上、書面によって定めるものとする。
  2. 2 前項の場合において、請求を受けた者に損害が発生したときは、請求した者は、その損害を賠償しなければならない。

第12条 (検査・引渡し)

  1. 1 乙は、本件工事が完成したときは、速やかに甲に通知をする。甲は、通知を受けた後○日以内にこれに応じて、乙の立会のもとに本件建物の検査を行う。
  2. 2 乙は、前項の検査の結果、合格とされた場合には、仮設物を取り払い、その他の後片付けを行う。
  3. 3 乙は、甲の請負代金の支払いを確認したときは、速やかに、本件建物を引き渡す。ばならない。本件工事に瑕疵があったときは、乙は速やかにこれを修補する。

第13条 (不合格の場合の処理)

  1. 1 乙は、前条1項の検査の結果、不合格とされた場合、甲の指定する期限までに、本件建物の修補または改造を行い、再度検査を受けなければならない。
  2. 2 前項の修補または改造の費用は、乙の負担とする。
  3. 3 乙は、甲による検査の結果に疑義または異議のあるときは、遅滞なく、書面により、甲にその旨を申し出て、甲乙間の協議において解決する。

第14条 (瑕疵担保責任)

  1. 1 本件建物に施工上の瑕疵があるときは、甲は、乙に対して、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求し、または修補に代え、もしくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。但し、瑕疵が重要でなく、かつその修補に過分の費用を要するときは、甲は修補を請求することはできない。
  2. 2 前項の瑕疵担保責任の存続期間は、瑕疵の種別に応じて、次のとおりとする。
  1. ① 住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令第5条第1項及び第2項で定めるものの瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)

    本件建物の引渡しの日から10年

  1. ② 第1号以外の瑕疵
  1. イ 木造の建物

    本件建物の引渡しの日から1年

  1. ロ 石造、金属造、コンクリート造及びこれらに類する建物、その他土地の工作物もしくは地盤

    本件建物の引渡しの日から2年

  1. 3 前項2号の瑕疵について、乙の故意または重大な過失によって生じたものであるときは、「1年」を「5年」とし、「2年」を「10年」とする。

第15条 (遅効遅滞・遅延損害金)

  1. 1 乙が、乙の責に帰すべき事由により、契約期間内に本件工事を完成させ、本件建物を引渡すことができないときは、甲は、乙に対して、遅滞日数に応じて、請負代金額に対して年○パーセントの割合で計算した額の違約金を請求することができる。
  2. 2 甲が、第4条に定めた支払期日を過ぎても請負代金の支払いをしないときは、乙は、甲に対して、遅滞日数に応じて、甲が支払うべき金額に対して年○パーセントの割合で計算した額の違約金を請求することができる。
  3. 3 甲に前項の遅滞にあるときは、乙は、本件建物の引渡しを拒むことができる。この場合、乙は、自己のものと同一の注意を払って本件建物を管理する。
  4. 4 前項の場合において、契約の目的物の引渡しまでの管理のため特に要した費用、および乙が自己のものと同一の注意を払って管理したにもかかわらず発生した損害については、甲の負担とする。

第16条 (注文者の中止権および解除権)

  1. 1 甲は、必要がある場合には、書面にその理由を付して、本契約を中止させ、または本契約を解除することができる。この場合、甲は、乙に対して、これによって生じる乙の損害賠償しなければならない。
  2. 2 前項のほか、甲は、次の各号の1つに該当する事由がある場合には、書面をもって乙に工事を中止させ、または本契約を解除することができる。この場合、甲は、乙に対して、これによって生じた甲の損害の賠償を請求することができる。
    1. ① 乙が、正当な事由なく、着手期日を過ぎても工事に着手しないとき
    2. ② 工程表より著しく工事が遅れ、工期内または期限後相当期間内に、乙が工事を完成する見込がないと認められるとき
    3. ③ 乙が、第5条の規定に違反したとき
    4. ④ 前3号のほか、乙が本契約に違反し、その違反によって本契約の目的を達することができないとき
    5. ⑤ 乙が、第18条1項の各号の1つに該当する事由がないのに、契約の解除を申し出たとき
    6. ⑥ 乙が、建築業の許可を取り消されたとき、またはその許可の効力を失ったとき
    7. ⑦ 乙が、強制執行を受け、手形もしくは小切手の不渡りを出し、または破産、会社整理、会社更生、民事再生の手続開始の申立を自ら行い、もしくは申立てられるなど、乙が本件工事を続行することができないおそれがあると認められるとき
  3. 3 甲は、乙に対して、書面によって通知することで、前2項により中止された工事を再開させることができる。
  4. 4 前項の場合において、乙は、甲に対して、その理由を書面に付して、工期の延長を請求することができる。

第17条 (請負人の中止権)

  1. 1 乙は、次の各号の1つに該当する事由がある場合であって、甲に対して書面をもって相当の期間を定めて催告しても、なお是正されないときは、書面をもって工事を中止することができる。
    1. ① 甲が、請負代金の支払いを遅延したとき
    2. ② その他甲の責にきすべき事由により、乙が本件工事を施工できないとき、または本件工事を続行することが困難なとき
  2. 2 前項各号の中止事由が解消されたときは、乙は、工事を再開することができる。
  3. 3 前項によって工事が再開したときは、乙は、甲に対して、書面よって工期の延長を請求することができる。

第18条 (請負人の解除権)

  1. 1 乙は、次の各号の1つに該当する事由がある場合には、書面をもって本契約を解除することができる。
    1. ① 甲の責に帰すべき事由による工事の遅延または中止の期間が、全工期の○分の○以上、または○ヶ月に達したとき
    2. ② 甲が、工事を著しく減少したために、請負代金が○分の○以上減少したとき
    3. ③ 甲が、本契約に違反し、その違反によって契約の履行ができなくなったと認められるとき
  2. 2 前項各号によって本契約が解除された場合、乙は、甲に対して、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。

第19条 (合意管轄)

本契約に関して訴訟の必要が生じた場合には、○○地方裁判所を専属管轄裁判所とする。

第20条 (協議)

本契約に関して、疑義が生じた場合または定めのない事由が生じた場合には、両当事者は、信義誠実の原則に従い協議を行う。

以上本契約の締結の証として、本契約書2通を作成し、双方記名捺印の上各自1通を保有する。

平成○○年○○月○○日

甲(注文者)  住所 ○○○○
社名 ○○○○
代表者 ○○○○
乙(請負人)  住所 ○○○○
社名 ○○○○
代表者 ○○○○

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