【労働問題】退職後の残業代の請求

1. 事案の概要

依頼人3人は、ルート運転手として勤務していました。その間、毎日3、4時間の残業をしていたにもかかわらず、残業手当の支給が一切ありませんでした。その後退職し、残業代を請求したいとのご相談にいらっしゃいました。

2. 行った手続

賃金請求権は2年間で時効消滅するので、迅速に対応しなければなりません。
まず、依頼人の雇用条件や実際に勤務した時間を基礎として未払いの割増賃金を計算し、雇用主に対し、合計約1000万の支払を求める請求書を通知しました。これに対し、雇用主が提示した金額は、約200万円でした。その理由は、依頼人らの時間外勤務手当には営業手当に含まれるため、残業代を支給しないとの合意があった等とするものです。

双方の主張が隔たっており、協議中に時効が完成してしまう危険があるため、労働審判の申立てをしました。ここでは、約1000万円の割増賃金に加えて、同額の付加金及び遅延損害金も併せて請求し、残業代不支給の合意があったとはいえない等と主張立証しました。
なお、付加金(労働基準法114条)とは、割増賃金を支払わなかった雇用主に対する制裁金としての性質を持つ金銭のことで、未払賃金と同一額の請求が可能です。

3. 結果

労働審判手続において、調停が成立し、雇用主から依頼人らに対し、割増賃金額に相当する約1000万円の支払うことが合意され、こちらの当初の主張が全面的に認められた結果となりました。

4. 解決までの期間

約9か月

5. 弁護士費用

約70万円

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