会社や株主自身のためにできること
「会社組織に関する法律知識(会社法の基礎知識)」および「会社の機関、総会・取締役会の運営に関する法律知識」のページで紹介したコラムでは、主に株式会社の仕組みについて説明しました。ロボットの例えで言うならば、ロボットはどのようにして作られるのか、どのようなオプションがつけられるのか、完成したロボットをどのようにして運用するのか、などといった内容です。
さてロボットのような人工物には、設計ミスや操縦ミスによって“不具合”が生じることがあります。そして、この“不具合”によって、ロボット自体が動かなくなったり、誰かを怪我を負わせたりすることがあります。このような場合、ロボットの所有者や被害を被った者は、ロボットを製造した者に修理を依頼したり、パイロットに損害の賠償を請求したりすることでしょう。
株式会社の運用にあたっても同じような“不具合”が生じることがあります。そして、その不具合によって、株式会社自体のみならず、出資者である株主やその他の第三者に損害が発生することもあります。このような“不具合”が生じたとき、どのように対応したらいいでしょうか?また“不具合”が生じないように、株主自身が事前にチェックすることはできないでしょうか?
会社法では、このような“不具合”に備えて、これを是正する制度を置きました。具体的には、株式会社自身や“不具合”の原因となった者に対して、これを是正しろと請求できる権利を創設しました。以下のリンク先では、具体的にどのような場合に誰が“不具合”の是正を求めることができるのかをお話ししています。